スマホゲームに異変 モンストがふるさと納税参入、収益悪化で10年ゲームもサービス終了

10年続くゲームも終了が相次ぐ冬の時代に突入したスマートフォン向けゲーム

スマートフォン向けゲームの世界に変化の兆しが見えている。MIXI(ミクシィ)は、「モンスターストライク(モンスト)」内で使われるゲーム通貨「オーブ」を東京都渋谷区のふるさと納税の返礼品として提供し始めた。背景には、市場縮小と開発費高騰で収益を上げにくくなっていることがある。ゲーム大手のスクウェア・エニックスでは10年続いたゲームのサービス終了(サ終)が相次ぐなど、スマホゲーム業界は岐路を迎えている。

総務相「付加価値は区域内で生じている」

村上誠一郎総務相は26日の閣議後会見で「(渋谷区の)返礼品はスマートフォン向けゲームの中で利用な可能なアイテムと聞いている。ゲーム開発によって過半の付加価値が区域内で生じているものとして提供しているものと承知している」と述べた。

総務省によると、ふるさと納税の返礼品は地場産品の基準に適合しているかどうかを優先的に判断しているという。渋谷区は返礼品をゲームアイテムとして申請しており、MIXIの本社がある渋谷区の区域内でその付加価値が生じたとして返礼品に認定したとしている。

ふるさと納税ではこれまでにも、ゲームで使えるアイテムを返礼品として取り扱うケースはあったが、自治体に関係した特別なデザインを施されたキャラクターや希少アイテムだった。一方、渋谷区の返礼品は、ゲーム内サービスを利用したり、強力なキャラクターを得るために消費され、通貨としての性質が強い。

このため、アイテムとして所持することが前提の他自治体のケースとは一線を画しているが、返礼品の認定基準では明確に否定するのも難しい。総務省の担当者も「ゲーム内通貨の定義をどう考えるか」と言葉を濁す。

「ガチャ」で浪費懸念

渋谷区のケースが問題視されている理由の一つには、返礼品が「ガチャ」と呼ばれるくじを引くために使用されることもある。ガチャでは、ゲーム運営者が当選確率を自由に設定することができ、利用者が欲しいキャラクターやアイテムを手に入れられるかは不透明で、〝浪費〟に終わることもあり得る。

渋谷区の返礼品をゲーム内通貨として、ネットサービスを利用できる金銭的な価値を持ったものととらえると、漫画や動画配信など、ゲーム以外のスマホアプリで使われるアプリ内通貨も返礼品と認められる可能性も出てくる。そうなると、規制の対象となっている「金券」や「仲介サイトでのポイント付与」などとの整合性が取れなくなる懸念もある。ネット上では、「画期的な返礼品」との評価する一方で、「返礼品としてありなのか」「限定グッズの方がよかった」の意見がゲーム愛好家から出ており、賛否が分かれている。

業界は冬の時代に

利用者をつなぎとめるテコ入れやゲーム難易度の調整など、長期継続しているスマホゲームほど、運営維持が難しいのが実情だ

日本オンラインゲーム協会(JOGA)の調査によると、2024年の国内のオンラインゲーム市場は1兆105億円で、19年の1兆3530億円から右肩下がりを続けている。一方でスマホゲームの開発費用は1本あたり平均約5億円と、過去10年で4・7倍になり、ヒット作が生まれにくい状況となっている。

スクウェア・エニックスは25日、「星のドラゴンクエスト(星ドラ)」と「ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス(FFBE)」をそれぞれ10月31日で終了すると発表した。いずれも15年10月にサービスを開始しており、10年間の継続で開発環境が複雑化し、運営費が高止まりしていることなどが一因となった。

13年続く「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」で知られるガンホー・オンライン・エンターテイメントは、パズドラ以降にヒット作がないことなどを理由に、アクティビスト(物言う株主)から社長の解任提案を受ける事態となっている。長期間サービスを継続しているゲームとはいえ、定期的なテコ入れが求められ、収益を確保できなければ容赦なくサ終の憂き目にあう。スマホゲームは「冬の時代」に突入しつつある。(高木克聡)

渋谷区とMIXI、ゲーム内通貨をふるさと納税返礼品 金銭類似性高く、金券競争再燃も

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